風が吹けば、桶屋が儲かるのか?

「ことわざ」と言われ、現代まで語り継がれている思考は昔の常識を表している事が多く、現代人が考え付かないようなことを昔の人はどうして考え付き、また、現代まで残るようにできたのか不思議ですよね。

何をきっかけにそのような言葉として残したのかはわかりませんが、科学的に正しいものも多く、学ぶべきものが沢山あると思っています。

早起きは何円トクするのか?

よく知られるところでは、「早起きは三文の得」ということわざがあります。
これは朝早起きすると三文得するというものですが、現代に置き換えて考えると早起きする場合、一文は現代の金額にすると25円ですので三文は75円ですが、75円どころではないほどの得を得られることになります。
江戸時代の町人は質素な暮らしをしている人が多く、その日暮らしをしている方も多く、夜は行灯の油がもったいないので日暮れとともに就寝していました。その為日の出と共に起き出して商いをすれば、その分儲かるという意味もあったのでしょう。

本当に人のためにならないのか考える。

また、「情けは人の為ならず」と言うことわざは、人に情けをかけてはいけないというその人が自力で立ち直って頑張るのを邪魔してしまったり、答えを教えことで、学習の機会を奪ってしまうことであり、その人のためにならないという解釈もできますが、情けを人にかけてあげれば、その人のためになるだけでなく、巡り巡って自分が困った時に誰かが情けをかけて助けてくれるから、人の為でなく自分の為になるのだよという解釈もあり、これは現代社会においてとても大切なことわざであると言えます。

昔の常識が現代にすべて通じるとはいえませんが、現代まで消えずに残っているものがあるということは、思考が遺伝的に似ているため、現代でも通用すると考えられます。

論理的な飛躍にも意味がある。

その点、「風が吹けば桶屋が儲かる」と言うことわざは少々難解で、科学的にも解釈が難しいものの一つです。
風が吹けば、桶屋が儲かるというのは直接的な解説をすれば、風が吹くとほこりが舞います。
ほこりが舞うとそれが目に入り眼病になる人が増えます。
昔は眼病というよりは失明として表現していますが、目の見えない方は按摩さんなどになるケースもありますが、女性などは三味線などの楽器を弾いて流しで歌を歌い旅をしてあるく商売をして生計を立てるしかなかったので、三味線が売れます。
その昔、三味線は猫の皮で作られていたため、猫の数が減ります。
猫の数が減ると当然猫が天敵のネズミが増えます。
ネズミが増えると色々なものをかじってしまい、それの標的になるのが桶です。
桶をかじられてしまう家が増えるので、あらたに桶を新調しなくてならないので、桶屋が儲かるという話なのです。

まず、風が吹いてほこりが目に入るまではよくある事ですが、それによって失明してしまうというのはかなり大げさな表現ですし、その為に流しの歌い手が増え、猫が減少するくらいに三味線が売れるというのは、あり得ない話で、そんなに町中に失明した人がうじゃうじゃいて、三味線の音があちこちでしまくるというのも現実的ではないかもしれません。

それなら、風がふいたら三味線屋が儲かるでも良いとなってしまいます。

理解して上げることは、相手への思いやり

その他にも、何故、それを思いついたかと不思議になるものが沢山あります。たとえば、「秋ナスは嫁に喰わすな」というものは、秋ナスはおいしいから嫁なんぞに食わしてはもったいないという解釈をする場合、嫁姑は昔からうまくいかないようにできていたんだなと理解しますが、ナスには体を冷やす効果があるため、大事な跡取りを生んでくれる嫁の体を冷やして大事があってはいけないので、秋ナスは食べさせない方が良いと言う思いやりの表現にもなります。

ナスが体を冷やす効果を持つという昔の常識を今に伝えるものでもあります。

桶屋に限らず、相手の言葉を意味を紐解くことで、「そんなことがあったのか」「そういうことか」と相手への気遣いや、思いやり、その人の常識の深さに驚かされ、人の思考を垣間見ることが出来ますよ。

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